Column

Harvest at Scribe Winery

Yukari Iki | 2012.09.06

Column

Kylen McCarthy

Miki Okazaki | 2012.03.11



1)どうして料理の道へすすむようになったの?
僕の家庭は料理で繋がっているんだ。ケータリングビジネスをしているから、家には常に食材があった。
料理の世界に興味を抱く事は、ごく自然な事だったよ。

2)いちばん料理の影響を受けた人は誰?
プライベートでは、大叔母。ギリシャ系の家庭では、女性が家庭を仕切る事が多いんだ。(カイランはギリシャ系)
大叔母は典型的なギリシャ女性で、よく僕らは彼女のキッチンテーブルに座り野菜の皮むきとかを手伝されたよ。
社会人になってからは、ワシントンD.C.のPS7というレストランのオーナーシェフ、Peter Smith。すごく才能豊かで、彼のようになりたいと思う。

3)今一番好きな、もしくは住んでみたい地域はどこ?
シアトル(現在はシアトル在住)は好きだよ。でも、家族が東海岸にいるので、いつかは東海岸に戻ると思う。
ニューイングランドがNYへ。

4)自分にもし子供がいるとしたら、どんなところをポイントに育てたいと思う? 食の観点からも…
相手を尊重できる考え方。
食材がどこからやってくるか、どうやって有効に使うかに注意を向ける。保存食の作り方。

5)将来の夢は?
シェフとして:いわゆるレストランっていう店ではない店。例えば美味しい定食屋的なモノを海岸に持ちたい。
1種類のビールとサーディンを出すだけの店とか…。
個人として:幸せを作り出すバランス感覚をもちたい。

6)一番得意な料理は?
『スペインの発酵ソーセージと青いちじくのグリル、蜂蜜がけ』
いちじくとソーセージをグリルして、トーストしたパンにのせ、最後に蜂蜜をかけて食べるんだ。

7)今、誰に食事を作ってみたい?
とてもシンプルな料理を、両親や友達、そして彼女に作りたい。例えば、夏のBBQとか。

8)得意な料理のレシピを一つ。日曜日のブランチや、家族や大事な人へのおもてなしには?
日曜の朝食:ソフトチーズ、焼きたてのパン、フレッシュな果物、塩漬けの加工肉に、美味しいコーヒー。
夕食:地産のサーディンか魚介類とお肉。それにシンプルな酢漬けの豆、ローストしたキノコ類、美味しいチーズに、パン。あと、良いシェリー酒も。
僕は、ゲストに凝った料理を提供する事よりも、一緒に楽しむ事が、より大切なおもてなし方だと思うんだ。 

9)好きなキッチンツール・ベスト3
1位・薪のグリル 2位・ナイフ 3位・まな板


by Kylen McCarthy (“Sitka & Spruce” in Seattle


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1)Why did you became a chef?  
Family ties to cooking, grew up around food so it was a natural interest.  Family had a catering business.

2)Who has been the most influential person in your culinary career?  
Personally: Great Aunt
Professionally: Chef Peter Smith, Washington DC.  His restaurant is called PS 7.  Very talented person.  Made me aspire to be as good as he was.  

3)Which is your favorite city, and which city would you most like to live in?  
I like Seattle, but my family is back east so someday I will go back to the east coast.  The New England area and Ny. 

4)If you were a father, what would be your main value to raise your children by and also, what culinary value would you pass down to your children.
Respectful mindset.  Attention to where food product comes from, how to best utilize it.  Food preservation, 

5)What is your dream?
Professionally:  Own a “non-restaurant” such as a shack on a beach….one choice of beer, sardines, 
Personally: Balance to create happiness

6)What is your signature dish? 
Fermented Spanish sausage with green figs and honey.  Green figs and sausage grilled with a piece of grilled bread, and then drizzled with honey.

7)If you can cook for anybody on this planet, who would it be?  
Very simple dinner for friends and family.  My parents, friends, girlfriend.  Summer bbq.

8)What would you serve for a sunday brunch and dinner, for important guest? 
Sunday Brunch: Soft cheese, fresh bread, fresh fruit, cured meat, delicious coffee. 
Dinner:  Local sardines or shell fish, local meat.  Simple sides of vinegared greens, roasted mushrooms, nice cheese and bread, good sherry.
I believe it is more important to engage in conversation with the guests than just cook for them.

9)What are your three favorite kitchen tools?
1. Nice wood fired grill 2. Good knife 3. Good cutting board

Column

Mr. 創作 Geek = Mr. Jerome Waag (現Chez Panisse料理長)

Miki Okazaki | 2012.02.29

料理の虫ジェローム



Jerome Waag(ジェローム・ワグ)という名を聞いて思い浮かぶ人は居ないかもしれませんが、私にとって出会えるべくして出会えたシェフの一人。二年前、突然の衝動にかられ飛行機に飛び乗り、サンフランシスコの隣り町、バークレーで40年続くレストランChez panisseの門を叩いたのがきっかけ。そこで当時のボス、ジャンピエールの右腕として全てを任されていたフランス出身のジェローム。フランス訛りの英語を話す彼は、芸術家肌でマイペース。料理は表現であり人々を結びつける手段だと信じる彼が、プライベートで活動しているOPENrestaurant …

続きは世田谷ものづくり学校が発行するフリーペーパーで!



Column

“Farmers Table” in Seattle by Yuri Nomura

Yukari Iki | 2011.11.07

 

TEXT: Yuri Nomura
Photo: Jim Henkens

シアトルときいてすぐイメージするものは何だろうか?
seattleマリナーズ、スターバックスに始まるcafe文化、アマゾンに、グーグルIT。。。。
そんな思いがあった私に、今seattleの食文化がとっても動きがあって面白いから一度サンフランシスコばっかりいっていないでこっちに来ない?というお誘いを受けた。
そこで今回のeatripのテーマはfarmers  tableとなづけ、出かけることに。


待ち構えていたのは二つのレストラン。
一つは古い倉庫を改装してできたmerlose marketという中にあるレストラン ”Sitka & Spruce“。このmarket コンセプトがいい。
その倉庫には肉屋、チーズ屋、ワイン屋さん、花屋さんが入っている。
その日もちょうど農場から丸一頭の牛が運ばれてきて解体を始めたところである。
実に新鮮だし種類も豊富全て地元North Westのもの。もちろんチーズもワインも。。



その一番置くにMattが経営するレストラン“Sitka & Spruce”がある
OPEN“という言葉を最近よく耳にするけど、正にキッチンから倉庫から全てがopen。もちろん食材の仕入れもopenで
Mattが自分で持っている近くの島の農場からのものが中心。


海に近いほとんど島国といっていいのではと思うワシントン州の中心シアトルは魚介だけでなく肉も野菜も豊富である。
それをすごくシンプルに火を使いながら調理していく。満席のお客さんからの満足感から生まる気持ちで満たされている。お腹は一杯でもお店を後にしても気持ちは爽やかである。お店をチェックしにほぼ毎日来ているMattに話をいろいろ聞くと日曜日の朝に朝食を作ってあげるから農場にみにいらしゃい!と言われる。喜んで!

また次の日もキッチンの横の特等席を確保して再度お店の味を肌で口で確認してからchefのKyerと一緒にフェリーにのってMattの農場を訪ねた。
そこには予想以上の大きさの畑が広がってて、まだ未完成だけどとあちらこちらに大工仕事かのこっている部分がありながら野菜畑、果物畑、鶏、羊、牛、豚がいきいき生きていた。
その中心に家と建築途中のゲストハウスが待ち構えていた。
羊や牛にも名前をつけて世話をするMatt。


でも全て人々の胃袋に消えていく環なのだけれど、何故か不思議と肉もきっちっと頂きたくなる気持ちになる環境だった。芝生の上でMattが作ってくれた採れたての卵で作ったスクランブルエッグズッキーニサラダ、そして近くでとれた蜂蜜をつけながらパンをかじりそんな気持ちになった。


Mattは既に、2つのレストランをseattleに持ち連日人々で賑わう人気店と同時にその手腕が一目置かれている存在だ。二つ目の家も隠れ家のようなフリーウェイの下にある古い一軒家を改装したもので庭には沢山の種類の野菜とハーブがすくすくと育ち、まるで秘密の花園に訪れているような錯覚になった。
37歳のMatt。これからもっともっと島の自分の農場を充実させてその作物を欲しいと思う人達にわけれるコミュティーを作っていきたいそう。地元で育ち地元を愛しそこで自分が一番よいと思う環境を作りあげて

人と繋がっていく彼の胸板はタゥーだらけでまっちょ、そんな彼の目はとても優し色をしていた。
旅が大好きで色々な市場に訪れてみたいという。

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今回写真を頼んだJimは、これまた地元を愛する地元生まれの背が高い写真家。
jimが最近島に100年前の古民家を借りて全部自分達の手でゆっくり改装しながら住んでいるから是非遊びにきてと誘ってくれた。島はほとんど バンクーバに近くまで北にあがったLumiiという島、三日月の形をしたようなこの小さな島でまた予想外なレストランが待っていた。

Swillow Inn オーナーのライラーは日本から始めての取材だよといいながら島をモーターサイクルにのりながら早速案内してくれた。100年以上たつ建物を改装したコテージ達、島のいたるところからみえる静かな入り江の海は穏やかで太陽でキラキラと光る。時折サーモンが飛び跳ねたりシャチのしっぽがみえたりする。、ライラーは10年前にこの島に移り住んできた。


最初田舎過ぎて飽きるかと思ったけどとんでもない。みてこの信じられないくらい美しい景色を。
しかも毎日表情を変えるんだよ!飽きるはずがないじゃないと61歳にして少年のように島の魅力を興奮して話してくれる。ホテルから五分のところに自分の住居と畑があった。独学で学び始めた畑は太陽の光を浴びながら自由にすくすくと育ち遠くからみると大きな自然の花束のようにもみえた。宿のレストランで使われる野菜は全てここから運ばれる。
熱く説明してくれるライラーの話を聞いていると鶏が元気よく目の前を走り抜けていった。


”あ~ぁ 僕は死ぬ前になにが食べたい?って言われたら絶対美味しいチキンチキンが食べたい!と天をあおいでいた。
これこそイキイキ生きるパワー。
その後ボートを出して
自分のもともとやっていたサーモン漁をみせてくれた。
今朝は170匹も採れたんだよ!って。
ライラーの漁方は1960年代から続くく網業で
採る期間を決め採れ過ぎたり使用しない魚は海に戻していくサスティナブルを守り続けているもの

そういえばJIMも夕食はこの一ヶ月しか採ることを許されていない蟹にするんだと
籠をもって海に出かけていった。

安全なものを食べたい。
何が食べたい?でなくて、自分達で育て採れる範囲のものを食べる。
そのプロセスから楽しみ最大限に調理して味わう美味しさを体中で感じた。

そしてレストランのお味は?って?
これがまたびっくり
今世界で話題のデンマークのNOMAでセカンドシェフを努めていた若干25歳のシェフが作る
完璧な世界の料理でした。



デンマークに行かないでseattleのlumimiというのどかな島で最先端の料理を体験できたんなんて。
そのギャップがまた衝撃だった。
自然の美しさを体中で感じ黄金に輝く夕日をみながらまたラリーが隣りにやってきた。
最高でしょ。
と。
明日は島に彼女が三時に遊びにくるから、その前にまた隣りの無人島にボートをだしてつれていってくれると約束して帰っていった。

seattle
料理の手法の矛先は違う2店舗だったけど
オーナの二人は自ら毎日畑に家畜に汗を流し
手は土いじりをしている人の特有の厚くがっしりをした手だった。

帰り道
そこら中に生い茂っている
ブラックベリーを車をとめては口にほうばってフッと考えてみた。
やっぱり食べるために人は生き。
生命を側に感じながら生きる。
それが美味い。
farmers tableはそんなことを感じられる食卓なのだと思う。

*シアトル紀行については、本日11月7日発売のHanakoに掲載されております。もしよろしければ見てみてください!

Column

シアトル旅紀行2011/08/18

Yuri Nomura | 2011.11.07

今回の旅は、逆戻りするように
まず場所であるレストランから入り、
そのレストランの主にお話を伺い、
その主が信頼するシェフに出会い、
そのシェフが敬愛する地元の農場に訪れたり、食材のありかである海に釣りをしに行ったりとすることで、ご紹介させていただきたい様々なシアトルのレストラン事情。

原点回帰ともいうべく、本来、人が生きていく上で大事にする価値観が浮き彫りになる気がしています。きっとこの法則は世界中の都市では同じことが言えることなのかもしれません。

まずは、シアトルの取材レポートとして、昨日一昨日のいくつかご紹介!

はじめのmacrina
美味しいと評判のベーカリー。
かわいいよなかわいくないような?女の人のイラストが目印。
いろんなカフェにもペーストリを販売している。

 


ちょっとした話題のオイスターバー、the Walrus and the Carpenters
古いビルを改装して一階には自転車やさんとレストラン。
建物奥には、業態が違うオイスターバーがあるという仕組み。




Cafe Fiore
住宅街の中にポッツと存在するorganic coffee shop。
町の寄り合い所かのように、多くの人々が集まる。


Pice Place Market
一年中常設されている観光名所。
なんといっても、スターバックスの一号店があるのが有名。


その1号店の前では、毎日だれかしらが演奏をしているらしい。
今日訪れた時に演奏していたチーム、素晴らしかった。
アカペラで be my baby 大熱唱!

 

一見、特盛りのアイスクリームみたいですが、カニの山盛りです。
ソースはケチャップのみでいただきます。

旅はまだまだ続きます。また近々レポートさせていただきます!

photos & texts by Yuri Nomura



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Seattle紀行 by Eva

Yukari Iki | 2011.11.07

 

TEXT: EVA SOROKEN
PHOTO: JIM HENKENS

 

 

   Flying out from the east coast, I have always appreciated Seattle for its unique food culture, picturesque natural surroundings, vibrant weather trends, and bold tattoo art. This city is bordered by jagged mountain ranges, where you can breathe the crisp Northwest air, and enjoy a balanced lifestyle of home and work. I will never cease to be mystified by this quietly tucked away region of North America.

   I must admit that I couldn’t exactly put my finger on what I loved and admired so much about Seattle until recently, when my friend Yuri came to visit. We defined her time here with a mission to “eatrip” our way through this city and the surrounding islands. After two weeks, I recognized that the most defining aspect of the Northwest is the synergy, the vibe, and the relationship that people living here have with what they eat. It is this symbiotic flow, a circular pattern of wilderness and civilization pleasantly blending into one that defines Seattle and the Northwest as such a unique region.

   After a calming dinner at the Willows Inn on Lummi Island we rode back to our beach house, slightly tipsy, yet faithfully guided by the stars. There was a darkness cast over the richly forested island but fortunately our bikes were electric, as were the stars that night. At dinner I was staring eye to eye with a delicious Sockeye salmon snack freshly netted just a few hours prior from the cold Pacific waters. Before that we devoured sweet blackberries along the island roads, Yuri carrying handfuls towards me to add to our secret stash.

   During a second dining experience at Sitka & Spruce in downtown Seattle, we sat close to the kitchen, observed the staff, and enjoyed a tasting menu gracefully prepared omakase-style by Kylen, the head chef. Earlier that day, we had breakfast at Matt’s house (the owner of Sitka & Spruce) after wandering through his farm, the source of his restaurant’s produce, and we met Spunky Thomas, the goat.

 

   What impacted me the most about our “eatrip” was the path of the ingredients from the farm directly to the table at both Sitka & Spruce and the Willow’s Inn. We toured the very farms that feed directly into each kitchen, touching and smelling the fruits and veggies, and finally we gathered to enjoy a beautifully prepared dinner at the end of the day. Yuri and I were able to establish relationships with new friends gathered around food. We were able to experience the food at the farm, while receiving concise explanations from the farmers themselves. We could see the farmers committing hours of labor on the farm to the chefs laboring in the kitchens. I felt awakened and thankful to be a part of this new link involving friends and food. Nourishment and community…I think the most basic principles of our life, are often overlooked. It was satisfying to re-identify with the simple aspects, the most beautiful and joyful principles of living.

Seattle [Food] from Molly Hawkins on Vimeo.

This “eatrip” was a success in my mind. I look forwards to the next adventure, the next top-secret investigation into food, friendship, and love.

Here’s to laughter, smiles, good food, and great conversations. Many thanks, much love, cheers!

~Eva

 

 

Column

カリフォルニアと食と人とのつながり

Yukari Iki | 2011.08.10

カリフォルニアはバークレーにあるChez Panisse Restaurant(シェ・パニーズ・レストラン)の40周年を祝う3日間が今月開催されます。その3日間の27日に、eatripの野村友里がお料理をお手伝いさせていただくことになりました。もちろんそのパートナーはPeko Pekoというケータリングチームのシルバン。そのリポートはおってさせていただきたいと思います。お楽しみに!

eatrip野村友里がChez Panisseと関わらせて頂くことになったいろいろについてふれいています。↓
http://www.babajiji.com/3242
http://www.pass-the-baton.com/blog/?p=10236
http://www.j-wave.co.jp/original/lohassunday/enjoy/110605.html

Column

Andrew Mariani / Scribe Winery

admin | 2011.08.03

Andrew Mariani
http://www.scribewinery.com/

若干29歳のアンドリュー・マリアーニはソノマにあるスクライブというワイナリーのオーナー。
悔しいかな言わざる終えない。彼はとびきりかっこよく&おもてなし上手。”チャーミング”という言葉はこの人のためにあるのでは?と思う種類の男性。はにかみ笑いとピンクのシャツが格別に似合ういわゆる素敵な男性。去年の6月に会った時は、彼しか似合わないであろう麦わら帽子をかぶっての登場だった。


数字とか請求書とか難しいことは分からない、、、けど人を楽しませること、おもてなすことは、嫌み無くこなす能力がある。そんなしっかりさが完全に抜けている”駄目駄目キャラなところが、また人を引き寄せる彼の魅力の1つかもしれない。

彼との出会いは2010年の4月。サンフランシスコに映画eatripの試写パーティーをさせてもらいに友里さんが渡米した際に一緒に同行。友里さんが去年の2月に修行していた先であるバークレーのレストラン「シェ・パニーズ」のワインや鶏肉等の食材調達場所の1つであることから、シルバンが連れて行ってくれたのがスクライブ。ぶどう畑の裏には鶏や家鴨を育てそれらは仲間のレストランに届けられているという。その土地のローカルな太陽と土の力で育った食材を、その土地にある飲食スペースや家庭で食することができる幸せ。それをスクライブでも体現している。

そんな彼と会うのはいつも決まってソノマにあるスクライブの中心に構える古い家屋=ハシエンダ。
もちろん彼のぶどう畑であるスクライブ・ファーム(SCRIBE FARM)がソノマにあるからだけど、本当の理由がある。



それは彼の強い思い:
シンプルに言うと、
「自分の畑で話し合ったり食事をしたりしにわざわざスクライブに”足を運んでもらいたい”から。」
だからこそ彼は、このスクライブで、ワインを楽しみながらアートやデザインをとりいれたイベントを催す。単なる”ぶどう畑”ではない。
人があつまり、1つのカルチャーとなりえるふんだんな要素がここにはある。だからワインがたまたま切り口かもしれないが、みんなにここで集まってもらい同じ時間を共有してもらうことで、次の何かにつながると信じている。


彼が運営するこのスクライブは昔は昔1856年に当時アメリカには存在しなかったワイン・ビジネスを持ち込み、
ドライ・ワインの先駆者となったドイツ移民が所有していた場所だった。
彼らの功績のおかげで、今や誰もが知っているワイナリーの集まる場所であるソノマ。
その場所に来ないと感じることのできない大地の力や太陽の強さ、そしてその場に集まる人々がつくる雰囲気。
農作物は育てる人々の声や気持ちを土の下で聞いて育つとよく言うものですが、それを体現している。当時のドイツ移民もより多くの人たちとのつながりを求め、よく知人をハシエンダに呼び寄せ、自身のワインとともに楽しいお食事会やパーティーを開いていたことで、事業も拡大しネットワークも増え、後に大きな渦というカルチャーになった。


1920年より14年続いた禁酒法により、そのドイツ移民によって最初に造られた当時のワインが眠って残っているという奇跡は残念ながらなく、解禁になってからのワインなので、歴史はまだ100年。ワインビジネス発祥の国であるドイツに比べれば浅い。ただその100年の歴史を理解し、その100年をベースにした上でこれからを築きたいと奮起したのがアンドリュー。彼が得意とする人を呼び寄せるパワーをふんだんに活用し、日々多くの知人やクライアントや友達がハシエンダには集まる。集まっては、最近のたわいもない話から、食材の話、食物生産方法の話、地域活性化の話などなど、話はつきない。サンフランシスコから車で1時間ちょっとかかるソノマだけど、常に市内の飲食仲間とつながり公私ともに育て合っている感がある。



アンドリューの祖父はユーゴスラビア移民として一文無しでカリフォルニアに渡り、ナパ・バレーにてワインの樽を製作する仕事を16歳からこなしていた。その樽製作で貯めたお金でアプリコット果樹園を購入するまでにいたり、後にこの果樹園は祖父が成功を遂げることになったウォルナットの聖地となる。アンドリューはそのウォルナット農場があったカリフォルニアはウィンター州で生まれ、幼い頃から実に多くの国で様々な勉学に励む旅にでた:
海軍での経験、スペインはクエルナヴァカにてスペイン語を学んだり、ノースアフリカのイスラム市場にて思いにふけったり、スペインのアンダルシア山にあったコルク工場に勤務したり。

その後、カリフォルニアに戻り、経済学で名高いCal-Poly Universityにて輸入学について学び、ワシントンにて貿易を学んでいる最中に、アンドリューは突如ギリシャに逃避。ワイナリーを持つ家庭で日々を過ごすことに。ここでの日々で初めてブドウ栽培方法を学ぶ経験をし、彼にとってワイナリーに対する熱い思いを抱くきっかけとなり、同時に今後の自分へのひらめきを感じる機会になる。


様々な場所を経験し、ワインにひらめいた彼が、今まで生きてきて一番印象に残っているメニュー。このメニューを思い出すまでに、さほど時間がかからなかったから、それだけ印象に残っているのだと思う。それは幼い頃一緒に遊んでいたメキシコ人の友達のお母さんがいつもできたてでつくってくれたトルティーアチップス。あまりにできたてでクリスピーすぎて、おいしい以外の何ものでもない。そのメキシコ人の友達と”トルティーア・クラブ”と名付け、その名称を手書きで描いた紙を自分の部屋のドアに貼っていたそう。彼特有のハニカミ笑顔で恥ずかしがりながら、でもうれしそうに、
「今このハシエンダでやっていることも一緒。できたての料理を仲間のサンフランシスコのシェフにつくってもらい、みんなで味わうってこと」。


Column

続編:SCRIBE WINERY

admin | 2011.06.13

THE SCRIBE
http://www.scribewinery.com/

現在のソノマがワインの街になっている所以は、ドイツ移民によるものである?

1848年頃にアメリカ合衆国のカリフォルニアで起きたゴールドラッシュ。
金を探し一攫千金を狙う多くの国々の人々が、海や陸を渡りカリフォルニアに集まり、
一時カリフォルニアの人口が一気に20万人にまで増加したほどのコト。
日本ではジョン万次郎が唯一日本人のその時期に金を求めて渡米したことで知られているが、
実際、そのゴールドラッシュで恩恵をうけた人々が、その後どのような事業にそのお金を活用したかどうかは、あまりに人数が多すぎて辿りきれないほど。
ソノマにスクライブ・ファーム(SCRIBE FARM)がオープンする前の歴史をたどると、
そんなゴールドラッシュをきっかけにドイツから移民してきたある人物に行きつく。

その名は、エミル・ドレッセル(Emil Dresel)。
1819年にドイツの有名なシャンパン製造をしていた父をもつ家に生まれたエミルは、建築を学びその職についていた。彼より先にアメリカ合衆国はテキサスで、金を発掘していた兄弟のジュリウス(Julius Dresel)を追って、1851年に渡米。そこから5、6年、ジュリウスと共にゴールドラッシュの恩恵を受けながら様々な土地を旅する日々を送る。

そしてカリフォルニアはソノマだった。

その”発掘活動”をしている数年に行き渡った様々な土地と風景を、当時エミルは水彩画として残しており、1853年には知人であるクッシェル(Kuchel)と共にサンフランシスコにクッシェル&ドレッセル(Küchel & Dresel)という石版印刷の会社を設立した。その絵画の中には後に仲間と開業することになる際に参考にしたであろうロサンゼルスのワイナリーの風景画もある。

後にエミルは1849年に一度ドイツにもどりリースリング(Riesling:ドイツで古くから栽培されている白ワイン用のぶどう)とシルヴェネール(Sylavaner:これもドイツの白ワイン用のぶどう)を輸入し、1856年に友達のジェイコブ・ガンドラック(Jacob Gundlach)と共に、”ライン・ファーム(Rhine Farm、ドイツの西部に続く川の名前”ライン川(Rihine)”を開業。現スクライブ・ファームのちょうど中央にある”集まり場所”のようなハシエンダ(THE HACIENDA:農園の母屋)は、当時ドレッセル家の居住スペースであった。

彼がわざわざドイツに戻りぶどうを持ち替えた理由。それは、アメリカよりも先に1811年頃にはワインビジネスが確率されていたのがドイツ。
そんな街で生まれ育った彼らが移民として移住した土地であるアメリカ/カリフォルニアは、
ぶどう畑を耕すには絶好の場所であり、アメリカでのビジネスとしては初めての試みであった。

1869年のエミルの死と同時に、兄弟であるジュリウスがライン・ファームを引き継ぐことになるが、後にパートナーであるガンドラックとは離れ、
彼の息子や孫がジュリウスの死後も継承していたものの、後の1920年に始まった禁酒法により閉鎖。

閉鎖とはいえ、”SPEAKEASY(もぐりの酒場)”として、ハシエンダに友達を呼び、ドレッセルのワインとともにお食事会やパーティーを行う際には、
秘密の合図があったという。:ドアをノックし、名を名乗れと言われた際に「ドレッセルlより招待されました」と答えるとその扉が開くシステム。
だからこそ、現在どの都市にあるバーでも隠れバーでも、店名として”SPEAKEASY”と名乗っているところが多いのかもしれない。

ドレッセルが作り上げたハシエンダとぶどう畑「ライン・ファーム」は1919年に閉鎖。
その後、ドレッセル家はハシエンダに住んでいたが後の1941年にドレッセル家の手から知人の手に渡った。


そしてこのハシエンダとハシエンダを囲むぶどう畑に惹き付けられたのが、まだ若干29歳のアンドリュー・マリアーニ。
ユーゴスラビア移民である祖父を持ち、様々な国に渡り経済や国際学を学び、その後最後にいきついたギリシャでのワイナリーでの経験が彼に奮起をおこさせることに。
カリフォルニアに戻ったアンドリューは、カリフォルニアワインの産地であるソノマを立ち上げることになったきっかけをつくったドレッセルのライン・ファームのことを知り、
祖父が同じ土地であるカリフォルニアで成功させたウォルナット産業の資金を元に、ドレッセルのハシエンダを購入。


スクライブ(SCRIBE)。直訳すると、写本筆写士, 筆記者、能筆家。
彼が購入したそのライン・ファームとハシエンダをスクライブ・ファームと名付けたのも、
そのドイツ移民が築き上げたワイン・ビジネスの道を再度自分が継承していきたいという所以から。
ただ彼らの道を辿るのではなく、その道を元にこれからのワイナリーを蓄積することがスクライブ。
彼らの築いたビジネスのコピーでもなく、真似でもなく、築かれた歴史を感じ次の未来のカルチャーを創り上げることを目標にしているのだとか。


SCRIBE WINERYの若きオーナーについては:http://www.babajiji.com/3086